まなびシフト夜勤のある暮らしに、学び直しと子どもの教育の情報を

授業料が無償になっても、教科書代と修学旅行は残る — 高校生等奨学給付金は、2026年度から年収490万円未満まで広がった

・ 約4分で読めます ・ 文責: まなびシフト編集部

就学支援金の記事を読んで、「授業料は心配しなくてよくなった」と一息ついた方へ。

高校の入学案内をもう一度めくってみてください。制服、教科書、副教材、体操着、電卓、修学旅行の積立、PTA会費。授業料の欄の外に、細かい金額が並んでいます。通信制なら、スクーリングの交通費と宿泊費がここに乗ります。

就学支援金が支えるのは授業料だけです。それ以外を支える仕組みは別にあって、名前が似ているせいで見落とされがちです。高校生等奨学給付金、文部科学省の資料では「奨学のための給付金」と書かれるものです。返す必要はありません。

目次
  1. 何に使える給付金か
  2. 2026年度から、対象が「非課税世帯」の外へ広がった
  3. 年額はいくらか — 全日制と通信制で違う
  4. 申し込みは就学支援金と「別」
  5. まとめ

何に使える給付金か

文部科学省のページは、対象になる「授業料以外の教育費」をこう列挙しています。

教科書費、教材費、学用品費、通学用品費、教科外活動費、生徒会費、PTA会費、入学学用品費、修学旅行費、通信費等

用途を1つずつ申告する仕組みではなく、年額がまとまって給付されます。入学案内の「授業料以外」の欄を、ここで埋める。そういう位置づけの制度です。

2026年度から、対象が「非課税世帯」の外へ広がった

これまでこの給付金は、生活保護世帯と住民税(所得割)が非課税の世帯だけが対象でした。年収の目安でいうと270万円未満です。

2026年度から、ここが2段階広がりました。リーフレットの区分をそのまま並べます。

世帯の区分年収の目安(※)所得割額の合算額支援の度合い
生活保護世帯・住民税非課税世帯270万円未満非課税全額
新たに対象270万円以上380万円未満100円以上105,500円未満約3分の1
新たに対象380万円以上490万円未満105,500円以上182,500円未満約4分の1

※年収は「両親のうちどちらか一方が働き、16歳以上の高校生1人と中学生1人の4人世帯」の目安です。実際の判定は年収ではなく、保護者等全員の道府県民税と市町村民税の所得割額の合算で行われます。自分の所得割額はマイナポータルの「わたしの情報」で確認できる、とリーフレットは案内しています。

年収の目安はあくまで目安で、共働きや世帯構成が違えばずれます。「うちは非課税じゃないから関係ない」で閉じていた家庭が、所得割額を一度見に行く価値が出た、というのが2026年度の変化です。

年額はいくらか — 全日制と通信制で違う

2026年度の給付額(年額)です。生活保護世帯以外は、上の3区分で額が変わります。

国公立私立
生活保護世帯(全日制等・通信制)3万2,300円5万2,600円
全日制等・非課税世帯14万3,700円15万2,000円
全日制等・年収270〜380万円世帯4万7,900円5万670円
全日制等・年収380〜490万円世帯3万5,930円3万8,000円
通信制・非課税世帯5万500円5万2,100円
通信制・年収270〜380万円世帯1万6,830円1万7,370円
通信制・年収380〜490万円世帯1万2,630円1万3,030円

通信制は全日制の3分の1ほどの額です。毎日通学しないぶん通学用品や教科外活動の費用が小さい、という設計でしょう。ただ、通信制高校の記事で書いたスクーリングの交通費・宿泊費は家庭ごとに幅があるので、「通信制だから安く済む」とは限りません。給付額が小さいぶん、自分の候補校のスクーリング条件(回数・場所)を先に見ておく必要があります。

申し込みは就学支援金と「別」

ここが一番の落とし穴です。リーフレットには「授業料支援の高等学校等就学支援金とは別々に申し込みが必要です」と書かれています。就学支援金をe-Shienで申請したからといって、この給付金は自動では付いてきません。

つまり、4月に学校から配られる書類の中に、就学支援金の案内とは別に、この給付金の案内が入っているはずです。2枚あることを知っていれば見落とさない。知らなければ、授業料の書類だけ出して終わります。

国籍・在留資格による要件もあります。日本国籍、特別永住者、永住者などの区分ごとに必要書類が違うので、該当する家庭はリーフレットの表で確認してください。

まとめ

金額と区分は2026年度のものです。都道府県で運用が違い、年度でも変わるので、申し込む前に文部科学省のページから自分の都道府県の案内をたどってください。