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給食費と修学旅行の集金袋が重い人へ — 小中学生の「就学援助」は、市区町村ごとに窓口が違う

・ 約5分で読めます ・ 文責: まなびシフト編集部

高校生等奨学給付金の記事を、「うちはまだ小学生」と思いながら読んだ方へ。

小中学校は授業料がなく、教科書も無償です。それでも、月初めにランドセルから出てくる集金袋は減りません。給食費、ドリルと副教材、絵の具セット、鍵盤ハーモニカ、林間学校の積立、そして修学旅行。年度が変わるたびに、金額を見てから返事を書く数秒があります。

小中学生の「授業料以外」を支える仕組みが、就学援助です。名前は地味ですが、根拠は法律にあります。

目次
  1. 「必要な援助を与えなければならない」と法律に書いてある
  2. 対象になる費目は14種類
  3. 新入学の学用品費は「入学前」に受け取れる形になっている
  4. 申し込み先は「学校か、教育委員会か」
  5. 高校の給付金と、小中の就学援助を並べる
  6. まとめ

「必要な援助を与えなければならない」と法律に書いてある

学校教育法第19条は、こう定めています。

経済的理由によって、就学困難と認められる学齢児童生徒の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない。

「与えることができる」ではなく「与えなければならない」。義務教育を成り立たせるための、市区町村の義務として書かれています。文部科学省の令和8年度の概要資料では、この制度の対象は次の2つに分かれます。

区分誰か人数(令和6年度)基準を決めるのは
要保護者生活保護法第6条第2項に規定する要保護者約8万人国(生活保護の仕組み)
準要保護者市町村教育委員会が、要保護者に準ずる程度に困窮していると認める者約109万人各市区町村

数字を見て分かるとおり、制度の中心は準要保護のほうです。生活保護を受けていなくても、市区町村が「準ずる」と認めれば対象になります。そしてその認定基準は市区町村ごとに違う。「うちは生活保護じゃないから関係ない」で閉じないでください。 隣の市で対象外でも、自分の市では対象、ということが普通に起きる制度です。

対象になる費目は14種類

国が要保護者への援助に補助を出す対象費目(令和8年度の概要資料)は、次のとおりです。

分類費目
日々の学習学用品費、通学用品費、体育実技用具費
新入学新入学児童生徒学用品費等
通学通学費(片道で小学生4km以上、中学生6km以上の場合の交通費)
行事修学旅行費、校外活動費(修学旅行以外の学校行事の交通費・見学料)
学校生活学校給食費、クラブ活動費、生徒会費、PTA会費、卒業アルバム代等
オンラインオンライン学習通信費
健康医療費

給食費と修学旅行費、そして集金袋の常連が、ほぼ全部入っています。ただし、これは国の補助対象の一覧です。市区町村が実際にどの費目を援助するかは、市区町村ごとに決まります。 文部科学省のポータルサイトにも「認定基準や援助費目など、各市町村において制度の詳細は異なります」と明記されています。

新入学の学用品費は「入学前」に受け取れる形になっている

ランドセル、制服、体操着、上履き。新入学の出費は4月より前に集中します。4月以降に援助が出ても、いちばん重い時期には間に合いません。

補助金の要綱は、この点に対応しています。要保護児童生徒援助費補助金の別記には、支給の対象に「就学予定者」(まだ入学していない子)が含まれ、就学予定者への支給は第1学年の学用品費と新入学児童生徒学用品費等に限る、と書かれています。つまり入学前の支給が、国の補助の枠組みの中に組み込まれているということです。

しかも令和8年度は、この新入学分の単価が引き上げられました。

令和7年度まで令和8年度
小学校57,060円64,300円(+7,240円)
中学校63,000円81,000円(+18,000円)

これは国が要保護者向けに補助を計算するときの単価で、準要保護の家庭にいくら出るかは市区町村の設計次第です。それでも、多くの市区町村がこの単価を参照して自分のところの額を決めるので、「国の単価が上がった年度」は、自分の市の額も見直されていないか確認する価値があります。

申し込み先は「学校か、教育委員会か」

制度の実施主体は市区町村です。準要保護者への就学援助は、平成17年度から国の補助がなくなり、税源移譲と地方財政措置のもとで各市区町村が単独で行っています。だから、案内の出方も市区町村ごとです。

どのパターンかは、お住まいの市区町村のウェブサイトで「就学援助」と検索すると出てきます。文部科学省のポータルサイトも、問い合わせ先は「お住まいの市町村」としています。

夜勤明けに教育委員会へ出向くのは大変です。まず学校に「就学援助の申請書はどこでもらえますか」と聞くのが、いちばん短い道です。学校は毎年この事務を扱っているので、聞かれ慣れています。

高校の給付金と、小中の就学援助を並べる

小中学生:就学援助高校生:奨学給付金
根拠学校教育法第19条高校生等奨学給付金(都道府県の事業)
実施主体市区町村都道府県
対象の決め方生活保護世帯+市区町村が「準ずる」と認めた世帯生活保護世帯・非課税世帯+2026年度から年収490万円未満まで
主な費目給食費・学用品・修学旅行・新入学準備など教科書・教材・通学用品・修学旅行など(授業料以外)
申し込み先学校または市区町村の教育委員会都道府県または学校

子どもが中学から高校へ上がると、制度も実施主体も窓口も切り替わります。小中で就学援助を受けていた家庭が、高校で奨学給付金を申請し忘れるのは、この切り替えが原因です。逆もあります。上の子で奨学給付金を知って、下の子の就学援助に気づく家庭もある。

家庭学習の設計の記事で「親がいなくても回る形にする」と書きましたが、お金の側も同じです。年度初めの申請を1回済ませておけば、あとは回ります。

まとめ

認定基準・費目・金額・締め切りは市区町村ごとに違います。この記事は国の枠組みの整理なので、判断はお住まいの市区町村の案内で行ってください。